一戸建て住宅では「断熱性能」が非常に重要です。
もちろん、壁や屋根、床、基礎部分の断熱工法・断熱材も家の断熱性能を高めるうえで非常に重要ですが、家の断熱性能の大部分は「窓で決まる」ということはご存知ですか?
家の断熱性能を高めるうえで窓断熱(窓ガラス・窓サッシの断熱性能)は非常に重要ですので、これから注文住宅を建てる方は窓の断熱性能についての知識は絶対にインプットしておくべきです。
このページでは一戸建て住宅の窓断熱の性能比較をわかりやすくまとめていきます。
Contents
窓断熱の重要性
前述の通り、一戸建て住宅において窓断熱の性能は非常に重要なポイントです。と、いうのも「戸建て住宅の断熱性能の5~7割くらいは窓で決まる」と言われています。
日本の住宅においてもっとも一般的な窓はアルミサッシと単層ガラスですが、これは外壁に比べて10分の1程度の断熱性能しかないのです。冬の場合は冷気、夏の場合は熱気が伝わってくるのはほとんどが窓から。
具体的には冬の場合はおよそ窓50%、外壁20%、屋根5% の割合で室内の温かい室温が消失されてしまいます。
夏の場合は窓75%、外壁12%、屋根5% の割合で外気の熱さが室内に伝わります。
壁や屋根、床から伝わる外気よりも窓から伝わる外気のほうが圧倒的に割合が大きいです。
断熱性能の高い断熱材で壁・屋根、床を敷きつめても窓が一般的な単層ガラスやアルミサッシだと、夏は熱気がムンムン伝わってきますし、冬は冷気がスースーと伝わってきてしまいます。
実際にご自宅の窓に近寄ってみるとわかりやすいですが、隙間風が入ってくるのではなく、冬は冷気、夏は熱気が露骨に窓サッシや窓ガラスから伝わってきます。自宅でなくとも外出先やオフィスなどでも実感できると思いますので試してみてください。
せっかく注文住宅でマイホームを建てるのですから「夏は涼しく冬は暖かい年中快適な家」が良いのは当然です。
家の断熱性能は高めるのに、「窓」を軽視するのは愚策中の愚策と覚えておきましょう。
寒冷地にお住まいの方は特に窓断熱の性能にはこだわることをオススメします。
窓はおもに「窓ガラス」と「窓サッシ」の2つのパーツから成り立っています。窓ガラスも窓サッシのどちらも断熱性能の高い製品があり、どちらも軽視できない重要な住宅パーツですので、しっかり当ページで断熱性能の高い窓ガラス・窓サッシを学んでおきましょう。
家にとって断熱性能は超がつく重要ポイント!特に窓は熱損失がもっとも大きい箇所です。家の断熱性能を向上させるなら窓断熱を重視すべき。ハウスメーカーのカタログには必ずといっていいほど窓のスペックが記載されています。それだけハウスメーカー各社が窓断熱を重視しているんです。窓断熱の性能は必ずカタログで比較しましょう。
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窓ガラスの種類
それではまずは「窓ガラス」にはどんな種類があるのか?という点についてまとめていきます。
なお当項目では「窓ガラスの断熱性能の比較」を主旨としているため、断熱性能に差がある窓ガラスのみにフォーカスして特集しています。
※高気密高断熱を売りにしている大手ハウスメーカーでは、一般的な上記ガラス類に当てはまらない独自の窓ガラスも存在しています。
※「強化ガラス」「すりガラス」「曇りガラス」などは断熱性能に違いがあるわけではありませんので、このページでは割愛させて頂きます。
単板ガラス
単板ガラスとは住宅の窓ガラスに用いられるもっとも一般的な一枚ガラスのことです。単層ガラス(たんそうガラス)や一枚ガラス、フロートガラスとも言われますね。住宅の窓ガラスに用いられる単板ガラスの厚さは「3mm」が基本的な厚さですが、製品やメーカーなどによって10mm程度までの厚みがある単板ガラスも販売されています。薄い単板ガラスは軽い衝撃でも割れやすいため、5mm程度の厚さはほしいところです。
厚さによって断熱性能は多少上下しますが、基本的に単板ガラスはもっとも断熱性能が低いと考えてください。もっとも一般的に流通している窓ガラスですので、費用の面では最も安価です。
単層ガラスのメリット
・コストが安い
・施工しやすい
単層ガラスのデメリット
・断熱性能が低い
・防音性能が低い
・結露しやすい
複層ガラス(ペアガラス)
複層ガラスは2枚以上のガラスで空気層を閉じ込めた窓ガラスです。ガラス2枚で構成された複層ガラスはペアガラスとも言いますね。内部に空気層があり、その空気層が断熱効果を高めます。
複層ガラスは閉じ込めた中間の空気層の厚さにより断熱性能が異なります。6mm~12mmの空気層がもっとも一般的ですが、12mmを超えると閉じ込めた空気層に対流が発生し熱を伝導してしまうため、断熱性能は12mmでほぼ頭打ちになります。そのため中空層の厚さは12mにとどめるメーカーが多いようです。
また複層ガラスには、中空層に「乾燥空気」を封入したタイプの他に空気以上に熱を伝えにくい性質をもつ「アルゴンガス」や「クリプトンガス」を封入したタイプもあります。アルゴンガスやクリプトンガスが封入されているタイプの複層ガラスはさらに断熱性能が高いです。
封入ガスの断熱性能としては「クリプトンガス>アルゴンガス」です。価格も断熱性能が高くなるほど高価になります。
複層ガラス(ペアガラス)のメリット
・断熱性能が高い
・防音性能が高い
・結露しにくい
・丈夫で割れにくい
複層ガラス(ペアガラス)のデメリット
・コストが高い
・分厚い
Low-E複層ガラス
Low-E複層ガラスは複層ガラスの一種で、こちらも2枚以上のガラスで空気層を閉じ込めた窓ガラスです。普通の複層ガラスとの違いは、2枚のガラスの内側、あるいは外側に「Low-E金属膜」と呼ばれる、低放射性能をもつ金属膜が貼られていることで、日光を反射させたり室温を逃がしにくくする断熱効果があります。
Low-Eには遮熱タイプと断熱タイプの2種類が存在し、遮熱タイプはガラスの中空層室外側に向けて金属膜が貼られていることにより、放射による熱の移動を抑え太陽からの日射熱や紫外線をカットする機能があります。夏の強い日差しをカットするのに適しています。断熱タイプは中空層室内側に金属膜が貼られていることにより、太陽の日射熱を取り込みたい寒冷地では大活躍します。また室内の熱を逃がしにくい性質のため年中快適な空間となります。
Low-E複層ガラスも中空層に「乾燥空気」を封入したタイプや「アルゴンガス」や「クリプトンガス」を封入したタイプがあり、やはりアルゴンガスやクリプトンガスを封入したタイプの方が断熱性能は高いです。
Low-E複層ガラスのメリット
・断熱性能が高い(断熱タイプ)
・防音性能が高い
・日射熱や紫外線をカット(遮熱タイプ)
・冬は光を逃さない
・丈夫で割れにくい
・結露しにくい
Low-E複層ガラスのデメリット
・コストが高い
・分厚い
真空ガラス
真空ガラスも複層ガラスの一種で、こちらはガラスの間の中空層が「真空層」になっています。真空層は空気が無い状態のため、熱伝道も対流も起きません。そのため、真空ガラスは空気やアルゴンガスを封入する複層ガラスに比べて薄くても十分な断熱性能と防音効果を発揮します。
真空ガラスは薄いため、単層ガラス用の窓サッシでもそのまま使える可能性があり、リフォーム時などに取り換えるケースも多い窓ガラスです。
真空ガラスの断熱性能は1枚ガラスのおよそ4倍、乾燥空気タイプの複層ガラスのおよそ2倍と高い断熱性能を誇ります。
真空ガラスのメリット
・断熱性能が非常に高い
・防音性能が高い
・丈夫で割れにくい
・結露しにくい
・薄い
真空ガラスのデメリット
・コストが高い
トリプルガラス
ペアガラスよりもさらに上位の断熱性能を誇るのがトリプルガラスです。こちらは名前の通り、ガラスを3枚使用して2つの中空層を有する窓ガラスです。2枚ガラス(ペアガラス)と比べても中空層が2つあるため、さらに断熱性能が高いです。トリプルガラスも、ペアガラスと同様に「乾燥空気」や「アルゴンガス」「クリプトンガス」「真空層」を封入したタイプがあります。
トリプルガラスは北海道や東北地方などの寒冷地とされる地域では採用される実績が増えてきていますが、まだ一般的な窓というわけではなく、オプションの位置付けとなるケースが多いです。トリプルガラスを標準仕様で採用しているハウスメーカーといえば、寒冷地で絶大な人気を誇る一条工務店が有名です。一条工務店が寒冷地において人気なのは標準仕様で断熱効果が高い装備を提供していることが理由といえるでしょう。
トリプルガラスのメリット
・断熱性能が非常に高い
・防音性能が高い
・丈夫で割れにくい
・結露しにくい
トリプルガラスのメリット
・コストが高い
5枚ガラス
5枚ガラスはトリプルガラスよりもさらに上位の断熱性能を誇る窓ガラスとなります。5枚のガラスを使用し、3つの中空層を有する窓ガラスとなります。中空層が3つあるため、トリプルガラスよりもさらに断熱性能が高いです。
5枚ガラスもおもに北海道や東北地方など寒冷地にて多く採用される窓ガラスです。こちらもまだ一般的な窓とはいえず、注文住宅においてもオプションの位置付けとなります。5枚ガラスは現状、住宅の窓ガラスとして採用されるものとしては最上位の断熱性能を誇る窓ガラスといえるでしょう。
5枚ガラスのメリット
・最高の断熱性能
・防音性能が高い
・丈夫で割れにくい
・結露しにくい
5枚ガラスのデメリット
・コストが高い
窓ガラスの断熱性能比較
上記にピックアップした窓ガラスが、現在日本で流通している主な窓ガラスの種類と特徴(メリット・デメリット)です。
窓ガラスの種類によってさまざまなメリット・デメリットがありますが、基本的な窓断熱の性能だけでいえば以下の順で断熱性能が高いと考えてください。
窓ガラス 種類 | 窓断熱の性能 |
---|---|
5枚ガラス | 高い |
トリプルガラス | ↓ |
複層ガラス | ↓ |
単層ガラス | 低い |
複層ガラスの中空層 種類 | 窓断熱の性能 |
---|---|
真空 | 高い |
クリプトンガス | ↓ |
アルゴンガス | ↓ |
乾燥空気 | 低い |
窓ガラス断熱性能ランキング
2019年下半期現在メーカーホームページにて熱還流率の記載のある、特に断熱性能が高い窓ガラスを商品別で比較表を一覧にしておきます。ぜひ参考にしてください。
※1 スペーサーとは複層ガラスの中空層を形成するためのパーツです。アルミ製や樹脂性などがあり、樹脂性のほうが熱伝導率が低く断熱性に優れます。
※2 熱貫流率とは温度差のある空間を隔てる部分における「熱の伝えやすさ」を表す数値です。単位はU値とされ、小さいほど(0に近いほど)熱を伝えにくいです。つまり数値が少ないほど断熱性能が高いと考えてください。
上記の窓ガラス断熱性能一覧表をみると、LIXILのレガリスという5枚ガラスの商品が断トツの断熱性(熱貫流率の低さ)を誇っていますね。やはり5枚ガラスの断熱性能は凄いです。他の商品をみても熱貫流率が「1.0以下」のものはトリプルガラス以上となっています。やはり窓断熱の性能を高めるうえで「中空層」が大切といえます。
寒冷地にお住まいの方は上記の一覧表の「熱貫流率1.0以下」の商品がオススメです。
寒冷地にお住まいでない方は断熱性能だけでなくそれぞれの窓ガラスの特性を理解し、設置箇所に適した窓ガラスを選ぶべきでしょう。
ただし、上記の掲載した窓は日本国にて流通している窓商品の中から熱還流率でランキングした最高峰の窓。一般的に取り付けられている窓ではありませんし、コストの問題も踏まえて選択すれば良いかと思います。可能であれば、窓断熱の重要性からも予算をかけていくべき場所として検討して下さい。
最近の注文住宅では、施主様が勉強して性能の良い窓を指定するケースが増えています。
注文住宅では、ハウスメーカーの提案してくる窓プランから選択するだけでなく、上記に紹介したような高性能窓を指定(注文)することが可能な場合が多いということを把握しておいて下さい。
家にとって断熱性能は超がつく重要ポイント!特に窓は熱損失がもっとも大きい箇所です。家の断熱性能を向上させるなら窓断熱を重視すべきです。ハウスメーカーのカタログには必ずといっていいほど窓のスペックが記載されています。それだけハウスメーカー各社が窓断熱を重視しています。窓断熱の性能は必ずカタログで比較しましょう。
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窓サッシの種類と断熱性能
次は窓サッシの種類と断熱性能についてまとめていきます。
窓ガラスと同様に窓サッシも家の断熱性能を高めるうえで非常に重要なポイントです。
断熱性能を高い窓ガラスだけを使っても、窓サッシの断熱性能が低ければ家の総合的な断熱性能は高くなりませんし結露の発生原因にもなり得ます。窓サッシと窓ガラスをともに断熱性能の高い製品で揃えることが家の総合的な断熱性能を高めるために必要不可欠です。
ちなみに窓サッシとは窓枠やカギなどの「窓ガラスをはめ込む構成部分」のことを言います。
アルミサッシ
アルミサッシは住宅に用いられるもっとも一般的な窓サッシです。軽量でありながら強度もあり、腐食やさびなどにも強い素材です。日々の窓の開け閉め操作なども楽ちんですが、アルミという素材は熱伝導率が高いため断熱性能は極めて低いです。
日本の窓ではアルミサッシが80%以上のシェアとなっていますが、欧米では樹脂製サッシや木製サッシなど断熱性能の高いサッシの方が普及しており、日本は「窓断熱の後進国」とも揶揄されてしまっています。
アルミサッシのメリット
・コストが安い
・軽量
・強度がある
・腐食やさびに強い
アルミサッシのデメリット
・断熱性能が低い
樹脂サッシ
樹脂サッシは主に塩化ビニール樹脂でできている窓サッシです。塩化ビニール樹脂は、身近なところではフライパンや鍋の取っ手部分などにも使用されている素材で、アルミに比べて熱伝導率がおよそ「1000分の1」と非常に低いのが特徴です。
そのため樹脂サッシは非常に断熱性能に優れています。
また樹脂は腐食しにくいため、沿岸部地方の住宅にも適しています。
樹脂サッシはアルミサッシに比べると強度の面ではやや劣ります。そのため従来まではフレームが分厚いものが多くデザイン面では好みが分かれるケースが多かったのですが、近年では改良が進みスリムタイプのフレームも増えています。だんだんと樹脂サッシのデメリット部分が少なく改良されてきているといえますね。
また樹脂サッシはアルミサッシに比べて、紫外線にもやや弱いという特徴があります。とはいえ「30年程度は持つ」と言われていますのでそこまで気にする必要はないかもしれません。念のため日当たりの良い場所は樹脂サッシを避けるという選択肢もアリでしょう。
樹脂サッシは複層ガラスなど断熱性能の高い窓ガラスとともに使用すると、窓断熱の性能がさらに高まります。複層ガラスやLow-E複層ガラスとともに用いられるケースが多いです。
日本では樹脂サッシのシェアはわずか7~8%程度と低いですが、北米や北欧など世界の寒冷地では樹脂サッシがもっとも高いシェアを誇ります。日本においても北海道や東北地方など寒冷地では樹脂サッシを採用する事例が増えています。
樹脂サッシは価格がアルミサッシより高くなり、およそ2倍程度の価格差があります。
樹脂サッシのメリット
・断熱性能が高い
・防音性能が高い
・気密性能が高い
・腐食やさびに強い
・結露しにくい
樹脂サッシのデメリット
・コストが高い
・強度ではアルミサッシに劣る
・アルミに比べると重いので操作性は劣る
複合サッシ
複合サッシとは、アルミと樹脂など複数のことなる素材を複合させてできている窓サッシのことです。代表的な複合サッシはアルミと樹脂を複合したサッシで、室外側には強度の高いアルミを、室内側に断熱性能の高い樹脂サッシを配置しています。それぞれの素材の特長を活かしつつ、なおかつ樹脂のみの窓サッシよりも価格面を抑えられます。
アルミ樹脂複合サッシはアルミサッシのおよそ1.5倍程度の価格となります。
アルミ樹脂複合サッシも複層ガラスやLow-E複層ガラスなど断熱性能の高い窓ガラスと併用することで、断熱性能をさらに高めることができます。
複合サッシのメリット
・コスト面では中間
・断熱性能が高い(樹脂サッシよりは劣る)
・防音性能が高い
・気密性能が高い
・腐食やさびに強い
・結露しにくい
複合サッシのデメリット
・中間コスト
・防音性能が高い
・腐食やさびに強い
・結露しにくい
木製サッシ
木製サッシは言葉通り、木でできた窓サッシです。木はアルミに比べて1000倍以上も熱伝道率が低く断熱性能に優れています。断熱性能だけでいうと木製サッシは樹脂サッシよりもやや優れています。また無垢材を用いた木製サッシなどもあり、デザイン性や質感、風合いも人気があります。
その反面、アルミサッシや樹脂サッシに比べ腐食・摩耗の耐性は少し劣ります。しかし最近では木材を十分乾燥させることなどの改良により強度を高めた製品もあるようです。
ただし気を付けなければいけないのは木製サッシは表面の塗膜が剥がれると腐食耐性が大きく低下する点です。木製サッシは定期的な塗装メンテナンスが必要な点が大きなデメリットといえるでしょう。
日本の住宅では木製サッシの普及率はおよそ3%未満であまり普及していませんが、アメリカでは木製サッシが40%近いシェアを誇っています。日本では木製サッシがあまり普及していないこともあり、価格も高いです。木製サッシは無垢材を使ったものや集成材を使ったものなどがあり、価格差もピンキリですが、おおよそアルミサッシの2倍(あるいはそれ以上)の価格差があると考えてよいでしょう。
木製サッシのメリット
・断熱性能が高い
・防音性能が高い
・木の質感・風合いが人気
・重厚感がある
・結露しにくい
木製サッシのデメリット
・コストが高い
・腐食や摩耗に弱い
・経年劣化のおそれあり
・塗膜のメンテナンスが必要
窓サッシの断熱性能 比較
上記にピックアップした窓サッシが、現在日本で流通している主な窓サッシの種類と特徴(メリット・デメリット)となります。
各サッシによってさまざまなメリット・デメリットがありますが、基本的な窓断熱の性能だけでいえば以下の順で断熱性能が高いと考えてください。
窓サッシ 種類 | 断熱性 |
---|---|
木製サッシ | 高い |
樹脂サッシ | ↓ |
アルミ樹脂複合サッシ | ↓ |
アルミサッシ | 低い |
※メーカーによっても性能に若干の違いがありますので、細かな違いについては各メーカーHPを参照してください。
断熱性能だけでなく、それぞれの窓サッシがもつ特性を理解し、住宅建設地域や設置箇所に適した窓サッシを選ぶことが重要です。
主要ハウスメーカーが採用する窓ガラス・窓サッシ 一覧
主なハウスメーカーではどんな窓ガラス・窓サッシを採用しているのか気になる方も多いと思います。下記に有名な大手ハウスメーカーが採用している窓ガラス・窓サッシを一覧にしておきます。参考にしてみてください。
一条工務店
窓ガラス(標準仕様):ツインLow-Eトリプルガラス(クリプトンガス)
窓サッシ(標準仕様):樹脂サッシ
断熱性能 :★★★★★
住友不動産(ウッドパネルセンチュリー)
窓ガラス(標準仕様):Low-Eトリプルガラス(アルゴンガス)
窓サッシ(標準仕様):樹脂サッシ
断熱性能 :★★★★
アイフルホーム(セシボ零)
窓ガラス(標準仕様):ツインLow-Eトリプルガラス(アルゴンガス)
窓サッシ(標準仕様):アルミ樹脂複合サッシ
断熱性能 :★★★★
三菱地所ホーム
窓ガラス(標準仕様):Low-Eペアガラス(アルゴンガス)
窓サッシ(標準仕様):樹脂サッシ
断熱性能 :★★★★
スウェーデンハウス
窓ガラス(標準仕様):Low-Eトリプルガラス(乾燥空気)
窓サッシ(標準仕様):木製サッシ
断熱性能 :★★★★
積水ハウス(イズシリーズ)/セキスイハイム/へーベルハウス/大和ハウス/パナホーム/三井ホーム/住友林業/トヨタホーム
窓ガラス(標準仕様):Low-Eペアガラス(アルゴンガス)
窓サッシ(標準仕様):アルミ樹脂複合サッシ
断熱性能 :★★★
アイダ設計
窓ガラス(標準仕様):Low-Eペアガラス(乾燥空気)
窓サッシ(標準仕様):アルミ樹脂複合サッシ
断熱性能 :★★
タマホーム(大安心の家)
窓ガラス(標準仕様):Low-Eペアガラス(乾燥空気)
窓サッシ(標準仕様):アルミ樹脂複合サッシ
断熱性能 :★
窓断熱の性能を高めるメリット
窓断熱の性能を高めることで享受できるメリットはたくさんあります。わかりやすいように箇条書きでまとめておきましょう。
- 冬は暖かい
- 夏は涼しい
- 室内が年中過ごしやすく快適
- 室温によるストレスを軽減
- 防音性能も高い
- 結露しにくい
- 電気代を節約できる
- 断熱性能の高い家は税金も優遇
- 腐食などにも強く家が長持ちする
- カビやダニの発生を抑制
- ※ヒートショックを抑制
※ヒートショックとは、家の中の急激な温度差により血圧が大きく乱高下したり脈拍が変動することを言います。失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすこともある危険な現象です。断熱性能の高い家は、家の中の温度差が少ないためヒートショックの危険を抑制できると言われています。
窓断熱の性能が高すぎることのデメリット
窓断熱の性能が高すぎることでなにかデメリットはあるのか、この点が気になる方も多いのではないでしょうか?
結論から言って窓断熱の性能が高すぎることで生じるデメリットはそこまで多くありません。
ですが一応よく言われる項目をまとめます。
- 息苦しさ・閉塞感がある
- 臭いがこもりやすい
- 空気が乾燥しやすい
・息苦しさ・閉塞感がある
これは高断熱・高気密の家ではよく言われる点ですが、正直「プラシーボ(気のせい)」によるところが大きいと思います。高断熱・高気密といっても、もちろん通気口はありますし最近の注文住宅では24時間換気システムを搭載している家がほとんどであり、人が実感できるほど息苦しいということは考えにくいです。
・臭いがこもりやすい
窓断熱の性能を高めると必然的に家の総合的な断熱性能や気密性も高まりますので、料理の時の臭いなどは確かになかなか逃げてくれないというデメリットがあります。換気扇を回せば解決しますが、24時間換気システムだけではこもった臭いがなかなかとれないという意見もあるようです。一般的な家に比べると確かにこの点はデメリットといえるかもしれません。
・空気が乾燥しやすい
高気密・高断熱は、夏は空気がジメッとした外気を遮断してくれるので良いですが、冬は確かに乾燥してしまいます。加湿器や加湿機能付きエアコンなどがあれば快適に過ごせるでしょう。
窓断熱の性能を高めても考え得るデメリットはこれくらいでしょう。ハッキリ言って断熱性能が高いことによるメリットの方が圧倒的に多いので、住宅の断熱性能は高めるに越したことはないでしょう。
ただし価格の面など、デメリットがないわけではありませんので住宅建設地が寒冷地で無い場合は「すべて断熱性能が最上位の製品」を選ぶ必要まではないと思います。なにごともバランスが大事です。注文住宅を建てる土地に適した断熱性能の製品を選ぶことをオススメします。
窓断熱の性能比較 まとめ
窓断熱の性能比較 まとめは以上となります。読者様のハウスメーカー選びのお役に立ててくだされば嬉しい限りです。
重要なことですので、今一度申し上げますが家の断熱性能を高めるうえで「窓断熱」は極めて重要です。外気が室内に伝わってくるのはほとんどが窓からです。
せっかく注文住宅を建てるのですから、外観の見た目や間取りだけでなく性能・機能面も優れた家の方が快適で良いですよね。特に断熱性能は家の快適性を180度変えてしまうともいえるほど重要ポイントになります。
正直、窓断熱をおろそかにしてしまった人の後悔談は数え切れません。
これから注文住宅を建てる、マイホームを購入すると言う方は必ず窓断熱の性能も重視してください。
窓断熱についても、最低限の知識をつけ後悔しないハウスメーカー選びをしましょう。
家を建てるなら断熱性能は超重要です!
というのもマイホームを建てた人の後悔ポイント1位が「室内の寒さ・暑さ」、2位が「光熱費が高いこと」だと言われているからです。コレ、どちらも高気密・高断熱の家なら解消できていた後悔ポイントです。
せっかく注文住宅を建てるなら「夏涼しく冬暖かい省エネ住宅」が良いのは当たり前ですよね。
マイホームの気密・断熱で失敗したくないなら、必ず「カタログの数値」で比較してください。
営業マンに「気密・断熱はどうですか?」と聞くだけじゃダメです。だいたい皆「うちは悪くない」というはずです。気密・断熱に自信のあるハウスメーカーなら“住宅カタログに必ず数値を載せる”ものです。カタログの数値に嘘はありません。
逆にカタログに数値が載っていなければ、その会社は「自信がない」と判断してOKです。これをやっておけば「気密・断熱での失敗」はまずありません。
気密・断熱性はハウスメーカー各社で力量差が非常に大きく表れるポイント。先輩方と同じ後悔をしないために気密・断熱の数値は必ずカタログで比較しておきましょう。
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